Gamebook a Go! Go! バックナンバー12号



それは1枚の絵から始まった


 今回は、前回の予告どおり、「展覧会の絵」の話をしましょう(ネタバレになっているので多少恐縮していますが・・・)。

 このゲームブックは1987年に発売されました。その後、社会思想社の「ウォーロック」誌で長い間ヒットチャートをにぎわせていました。

 このゲームのお話は、とあるクラシックの曲を元にしています・・・とはいえども、タイトルそのまんまなのではっきり言うとムソルグスキーの「展覧会の絵」をモチーフにしています。展覧会に展示された10枚の絵の中を”旅”する吟遊詩人となって”展覧会”の奥にある”何か(本人は気づいていませんが・・・)”に近づいていきます。

 森山安雄さんが奏でる幻想的なシナリオと米田仁士さんが彩るイラストに酔いしれながら(ハズカチー!)読み進めていくことができます。一点一点それぞれの絵は全く関連の無いように見えます。実際関連が無いのかもしれません。しかし、このゲームブックではそれらが一本の糸でつながっているかのように見えてしまいます。ゲームブックの中には「生と死」というテーマが見え隠れしています。ある時は死への道、ある時は生きるために必死にもがく姿、またある時は永遠かも知れずに世を彷徨う姿・・・。これらの姿を見続けながら1枚ずつ絵を観覧することになるのです。これは、ムソルグスキーがなぜ「展覧会の絵」という曲を作ったかということを知ればみなさんも納得すると思います。また、このことはゲームブックのエンディングで語られていますので読んでみてのお楽しみ・・・ということになりますか(酷やなぁ。もう手に入らん可能性が大やからなぁ)。

この本を見かけたらぜひ読んでみてください。国産ゲームブックの中で「ぜひに!」と進める本のうちの一つです。読み終わった後はCDを聞いてみてください。読まずに聞いたときよりも更に味わい深く聴けることでしょう。

おまけ:作者の森山さんは、「展覧会の絵」についてコンピュータゲーム化したいとおっしゃっています。やりたいなあ・・・。わし一人ででも(笑)

[2000.10.13]


次号予告・次回は「ソーサリー」再び!!