Gamebook a Go! Go! バックナンバー4号


変身!・・・あれ?

ババァ「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」
何だこいつは!?
ババァ「ホッホッホッ、どうじゃ、この美貌を!」
鏡見なはれ。
ババァ「うわっ! なんじゃこれは!? 魑魅魍魎も逃げ出す醜さ!」
ババァにお似合いやな。ヒャッヒャッヒャッ。
ババァ「ぬぬぅ、失敗じゃ。」
四太夫「ババァが失敗するとは思えん。」
確かに。ババァならこんなこと屁でもないのに。やい、ババァ! わざと失敗したなあ!?
ババァ「うるさいわい! だいたいお前がナムコ編の筆が滞っているからじゃないか! 某女史のコラムがまだこないのをいいことに・・・」
四太夫「そうかもしんない。」
うっさいわい! ちゃんとナムコ編の原稿はできあがっとるわい! 
ババァ「ほう、それならその原稿、見せてみろい!」
う・・・それは・・・家に忘れてきたんだな。
ババァ「ほれ見てみぃ! こやつ、やっぱりできてないんじゃな。ほっほっ。それじゃ、お遊びはこれぐらいにして・・・ふん! ふぬぬぬぬぬ・・・」

 さて、館長がナムコ編をさぼっている間、わしが話を繋げとこうかい。今回は「バルサスの要塞(スティーブ・ジャクソン、社会思想社)」。ゲームブックに魔法の概念を持ち込んだ由々しきゲームブックじゃ。この作品にもS・ジャクソンらしい演出がなされておるぞ。まずは魔法のシステム。これは回数制となっておる。最高傑作と呼ばれる「ソーサリー」では「体力の続く限り」じゃったが、これは総パラグラフ数2000を超える作品じゃからじゃ。パラグラフ400ではこれは困りものじゃ。一定の魔法がたくさん唱えられるからのう。そこで、回数制をとったわけじゃ。これだと魔法を選ぶときのスリルが味わえるからな。

 あとは、登場人物の豊かさじゃ。扉を入ってもすぐに攻撃を仕掛けるような登場人物やモンスターは少ない。相手も表情豊かな登場をする。火を囲んで談笑していたり、短剣の値段でもめていたり、高貴なインテリアの中で寝ていたり・・・。ふつうはプレーヤ側の行動によって相手も行動するようになっておる。闘うときはたいてい「剣を抜く」というクッションをおいて、戦いに挑む。唱えられる魔法も「これが最適じゃないか?」という魔法を選択肢の中に盛り込んでおる。ただし、これが効くのかどうかわからんがな。なお、ソーサリーでは6つの魔法の言葉から選べるようになっておる。中には存在しない魔法もあるから注意しなされ。

 でも、いちばん腹が立つのがガンジー。こやつはもちろんインドの独立運動指導者のことではない。こやつは実体を持たない、無敵の存在なのじゃ。こやつにふつうの剣は通用しない。こやつのおる部屋を無事に通るにはアイテムしかないのじゃ! 心してかかれ。 あそうそう、このゲームのボスのバルサスは「火吹山の魔法使い」のザゴール、「モンスター誕生」のザラマン・ダーの修行仲間じゃ。こういった雑学も覚えておいたほうがいいかもな。

1997.7.31


 こんどは、そのザラマン・ダーが猛威を振るう「モンスター誕生(スティーブ・ジャクソン、社会思想社)」のお話でも。このゲームブックの序盤は今までの常識を破ったものとなっておる。行き先を自分自身では選べないからじゃ! しかも、スタート時では自分自身が何か分かっていない状態なのじゃ。じゃが、プレーヤは、次々と起こるイベントにより、知能を回復する。そして、主人公自身の哀れな姿に気付くわけじゃ。しかし、その時点ではなぜモンスターになっているのかわからない。ま、このことはクライマックスでわかると思うので敢えて言うまい。

 この作品ではジャクソンの技のオンパレードとなっておる。これ以前の作品でも謙虚に現れたシナリオ中心のストーリーが完全なものとなったのじゃ。ひとつ寄り道するとどうあがいたってクリアできないようになっておるのじゃ。恐ろしいのう。本の向こうでジャクソンが「これでもか、これでもか」という半ばヤケクソのシナリオをプレーヤに与えるのじゃ。それもそのはず、この作品がジャクソンの「最後の作品」となっておる。つまり、彼はこの本に全身全霊を捧げたわけじゃ。なお、彼はFFの世界をモチーフにした小説を書いているという。イギリスで彼の小説処女作を出版(「トロール牙峠の戦い」)したそうじゃが、社会思想社さんがぜんぜん日本語に訳してくれないので読んだことがない。社会思想社さーん、お願いじゃからFFの日本語版、復活しておくんなまし(どこの人間だ?)。  モンスターを主人公にした作品は非常に少ない(もっとあってもいいはずなんじゃが・・・)。ワシが知っているのは「モンスター誕生」と「モンスターの逆襲(山本弘、社会思想社)」だけじゃからな。なお、「モンスターの逆襲」と「送り雛は瑠璃色の(思緒雄二・社会思想社)」を旭屋書店で申し込んだので、今度書いてみようと思う。それまでは、いつできるか分からないナムコ編を楽しみにしておれ。

1997.7.31


次号予告・ババァはようやく目的のものに変身できるのか?